第14回 プラチナアート大賞2021 入賞入選作品 発表(敬称略)
審査総評
昨年に続き緊急事態宣言真最中での開催となったが、かつて無いほど応募が多かった。70歳代、80歳代からの応募が多かったのが特徴である。世代を超えて幅広い応募者が多いのも当大賞展の特色である。新型コロナウィルスで年配者は外出を控えたり、在宅勤務で時間に余裕のできた中堅層が増えたせいであろう。家で熱中できる趣味や仕事としてアートが最適なものと受け取られている証左である。
今年の傾向として、子供や家族をテーマとした身近な絆や家族愛を表現した作品が目を引いた。技術的にも年々実力のある作家が目立ち、すでにプロとして活躍しているが販売チャネルを増やしたいとの動機を持った応募者が増えたのでレベルが高くなっている。一方、まだ制作を始めてキャリアは浅いが腕試しという人たちにも門戸を開いている当大賞展なので層が厚くなってきている。喜ばしいことである。
プラチナアート大賞
副賞 百貨店画廊とヤマダ電機アートギャラリー展示販売会出品と
マルマン(株)提供賞品
大西 翔 『少年時代』 水彩
北国の短い夏の終わり、楽しかった幼い頃の友情を思いおこす一場面である。計算された奥行きのある構図で澄んだ空気感がよく表現されている。また豊かな色彩が鑑賞者を惹きつける。優れた筆力があり、秀作に仕上げている。賞に相応しい作品である。
他の入賞作品
副賞 ヤマダ電機アートギャラリーでの展示販売会出品、賞名提供社の賞品
○以下の作品は画像をクリックすると拡大します。
-
最優秀賞 佐藤 龍
油 彩
(バニーコールアート賞)
『音楽家の肖像』
確かな描写力と巧みなテクニックに裏付けられたとても存在感ある作品である。強い信念を持った表情が生き生きと描かれた逸品である。
-
優秀賞 小川美木
日本画
(ターレンスジャパン賞)
『夏の日』
少女の表情に惹きつけられる。また緊張感があり、不思議な魅力をかもし出している。画面構成がうまく的確な線による表現がとても印象的である。
-
敢闘賞 足立典子
日本画
(ターレンスジャパン賞)
『春告鳥』
写真ではわからないが透明のアクリル板を重ね立体感を出している。とても繊細でデッサン力のある作家であり、興味深い作品である。
-
奨励賞 大嶋優実
日本画
(ターレンスジャパン賞)
『アザレア』
深みのある色調と厚みのあるマチエールがバランス良く保たれていて面白い。堅牢で大胆な表現がとてもうまく作品に生かされている。
-
努力賞 小野蓮月
日本画
(マルマン賞)
『普賢菩薩』
構図に安定感があり、色彩を巧みに操り輝いて見える。生命と美しさを感じさせる作品である。菩薩の表情がとても良い。
-
佳作賞 光山明子
油 彩
(ホルベイン賞)
『もののけの森』
数百年に渡る森の息遣いやサイクルが力強く描き出されている。対象物を的確に表現し、いかにも目の前に立っているように臨場感が出ている。とても実力のある作家である。
-
佳作賞 タナカヨシノリ
ミクストメディア
(バニーコールアート賞)
『夕映えの白馬』
鉛筆画にアクリルと色鉛筆を用いた作品である。現実と心象風景、さらに寓話性が心地良い印象を受ける。計算された色調と演出で作品をうまく仕上げている。
応募順
上田健一、品川ふじを、山浦澄男、渡辺由美、須東潤一、豊川邦夫 、 椿 金魚 、金子一生、荒井美璃 、
山﨑美枝子、高松典雄、タカキヒロユキ、有賀和美、濱田春恵 、 根本浩二、村上泰斗、
高橋敏夫、大野尚子、小井土健二、小野川真理、大橋正幸、赤生創山、宗岡卓治、yukiho、
川﨑志保、SAKURAKO、雨宮正子、照井弘美、戸塚利二、柿本セエカ、 堀口 裕、
カミジョウミカ、新村典史、清田晴美、工藤沙由美、北村良太、梶原丈義、 小林雅治、
樋野武志、金田奈美、永井祥浩、熊谷 忍、羽鳥碧葉、佐藤真穂、伊藤真之介、淺井紗恵子、
首野尾裕美、片平瑠実、玉利直江 以上